「直送」って何だろう?
法律事務所では様々な法律用語や、聞き慣れない表現が飛び交うことがあります。
例えばこの「直送」という言葉。
弁護士から「これ、直送しといて!」などと頼まれることがあります。
さて、この「直送」とは何の事なのでしょう?
直送は「裁判所を経由せずに相手に直接送る」こと
本来、答弁書や準備書面、書証などは、裁判所に2通提出し、
そのうち1通(副本)を裁判所が相手方に送達するという方法をとるのが原則です。
ただし、送達をすべてこの方法で行うと、裁判所の事務が増えすぎてしまいますし、
ミスがあった場合などには特に送達に時間がかかりすぎます。
そこで、裁判所は、当事者間で書類を直接やり取りし、
裁判所に受領の事実を記載した書面を提出するという簡略化された方法を促します。
この、裁判所を経由しないで書類を相手方に直接送ることを「直送」と言います。
なお、「直送」には、郵便を用いる方法とFAXを用いる方法があります。
どんな書類が直送できるの?
裁判所と相手方に提出する書類には、直送できる書類と、
裁判所経由で「送達」しなければならない書類があるので、注意しましょう。
訴状、取下書、請求の拡張または縮減の記載のある準備書面など、
訴訟に重大な影響を及ぼす内容の書面は直送できません。
また、答弁書を直送するときであっても委任状は直送できませんので注意しましょう。
受領書付送信票を作成する
答弁書や準備書面、書証などの
裁判所の正式文書を裁判所と相手方にFAXする場合、通常のファックス送信票ではなく、
受領書付送信票(直送書)を作成しなければなりません。
郵便で直送する場合も、受領書付送信票を作成します。
直送書は、それぞれの事務所ごとに書式が異なるため、
弁護士や先輩に聞いて事務所ごとに定められた書式に従って作成することになります。
かりに事務所に書式が定められていない場合は、
下記の事項を最低限記載しておけば問題ありません。
・送信先(裁判所の担当部署、相手方の送達場所)
・発信者(送達場所、誰の訴訟代理人であるか、弁護士事務所・弁護士名、押印)
・事件の概要(事件番号、係属裁判所、担当部署、事件名、当事者名など)
・送付資料
・受領書欄(裁判所の担当部署とFAX番号、弁護士名とFAX番号、受領者の記名押印欄)
クリーンコピーを作成しよう
FAXで送ると読みにくい文書はなるべく郵送するようにすべきですが、
提出期限との関係で、どうしてもFAXで直送しなければならない場合は、
別途クリーンコピーをして弁護士に渡すようにしましょう。
法律事務所では他にも様々な法律用語や、聞き慣れない表現が使われます。
講座ではそういった実務上の細かいお話もしていきますが、
このブログでも少しずつ解説していきますので、
法律事務所に転職した際、戸惑わないよう、ぜひ覚えておいてくださいね^^
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